認定工法


認定工法というのは、いわゆる昔から建築されていた在来工法と比較されるものです。
今まで建築業界に携わってきましたが、いつも不思議に感じます。認定工法というのは実験して安全性と確かめて書類にまとめてお上に提出すると受けられます。まずこの段階でお金のある企業に絞られます。実験というのもさまざまなもので、10年分の気象条件を数日、数ヶ月に再現する、地震の揺れを想定して実験する、建物を燃やして実験する、火事を想定して実験する。などなどです。

そんなこととが可能でしょうか。10年分の紫外線と10年間受け続けたものと同じなどと私には思われません。地震についても震度7まで安心とかうたってますが地震なんて一度して同じものではありません。神戸の直下型と福島の海洋地震では全然違いました。神戸では高速道路も倒れましたが、福島では建物は崩壊してなくてそのまま津波に流されました。地震の性質によっても建物に対する影響も全然違います。

先日木造の学校を実際に燃やして、安全性を確かめていたニュースがありましたが、テレビではものすごく燃えているように見えましたが、安全性は確認されたようです。これは、お上が大規模施設で木をたくさん使いたいという既定路線だったのでしょう。

現場やっぱり設計段階で認定品をよく見かけます。例えば同じ強度とされる認定品と従来使われきたものと大変疑問に思えます。ダイラ◯◯の強度の無さは現場の職人たちはよくご存知だと思います。

さて今度はハウスメーカーの認定工法です。建設は地盤調査、杭打ち.地盤改良、基礎工事などと進んでいくのですが、こちらの敷地の隣で、ハウスメーカーの工事を見ることがありますが、同じ地盤強度と思われるのに、こちらより強度が低いのではないかということを感じます。軸組でもそうですが認定工法では在来工法と大きく違います。軽量鉄骨と木の強度は同じなのでしょうか。木造の剛接合が可能なのでしょうか。あと構造計算をしているから安全だと言って販売していますが、通常の在来工法の柱、梁より小さいです。構造計算して算定する部材は強度的にギリギリ必要とされるものです。(安全率はありますが)

あと工場生産が多いという特徴もあります。工場でつくっているから均質だということです。
工場でつくって現場で組み立てるだけ。ただどんなものでも工場で作るものには欠陥品があります。
それも現場で持ち込まれたらどうでしょう。認定工法だから大工さんによる加工はできません
送り返して再入荷を待っていると工程が伸びます。車や電化製品などですら初期不良があるのに家という大きなものはできてしまったら、修理に持っていくこともできません。認定工法だから大規模なな補修は難しいように思います。

最後に大工さんに気持ちについてです。ハウスメーカーの家は会社の人が工事するわけではありません。下請会社が工事します。
工務店などの大工さんは工務店おかかえの人たちです。建設したものはほとんどおぼえています。欠陥があったら自分の技量が試されるようなものです。プライドが傷つくでしょう。だから、自分の設計したものより、多くの変更を提案してきます。

今の若い人たちは、コマーシャルやモデルハウスでわかった気になって、コンビニで買い物する感覚で「家を買う」という感じに思われます。
家はつくるものです、工程工程でさまざまな変更が行われるのです。自分の経験では設計図通りできた家など一軒もありません。

あと認定工法だと増改築や補修などはその購入した会社でしかできません。価格.comで金額比較できません。それはその会社にとってはおいしいことでしょう。

櫛田設計

一級建築士事務所 愛知県 一宮市

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