基礎

今回は基礎について書いてみます。
現在では鉄筋コンクリートのベタ基礎が多いと思いますが、布基礎も一部で用いられています。昔の住宅では玉石に束のみというのもありました。一概にベタ基礎と言われるものはおおまかにいうと10平米程度で基礎の立ち上がり(地中梁)で区画されているものです。根拠としては瑕疵担保保険の仕様書があって、構造計算により算出したものです。工務店に建設を依頼すると、基本的にこの仕様となると思います。基礎の施行において一番重要なのは鉄筋の組み方だと思います。スラブ配筋、立ち上がり(地中梁)、開口部補強、鉄筋の定着長さ、隅角部補強、鉄筋のかぶり厚さなどがポイントとなります。ただ自分が現場を見ている範囲ではほとんど致命的な間違いはありませんでした。このベタ基礎に対して布基礎を用いるところもあります。大手ハウスメーカーは布基礎が多いように思います。防湿コンクリートを打つとどちらも同じように見えますが、強度的には大きく違います。基礎の役割のひとつに建物重量を地盤に伝えることがあります。ベタ基礎基礎は基礎の全面で荷重を支えます。対して布基礎はフーチングの幅のみです。この点ではベタ基礎に軍配が上がります。ただし工事費の面から見ると布基礎の方が安くあがります。建物完成後基礎の表面に細いクラックが見つかって施主さんから意見を頂くことがあるのですが、このクラックは基礎コンクリートに生じたものではなく基礎の表面に塗ったモルタルが収縮して生じたもので強度的には全然問題ありません。この基礎のことだけではなく建物全体についても完成後に細かいことに対して手抜き工事だとか言われことに対して建設業者はその対応に事前、事後に大きな負担があります。このようにことは他の業種、学校、地域コミュニティなど日本全体にあふれています。このような瑣末なことに気をとられて何か大事なことが失われつつあるように思います。話がそれましたが今のベタ基礎の仕様は十分すぎるぐらいだと思うので、特に大きな心配はないかと思います。ハウスメーカーの布基礎基礎に関しては詳しくないのでわかりません。因みに自宅は築130年で玉石基礎ですが今まで特に大きな問題はありません。ただしネズミ、猫、イタチ被害などはありました。

櫛田設計

一級建築士事務所 愛知県 一宮市

0コメント

  • 1000 / 1000